2016年7月12日 (火)
芸術を学ぶ
南方熊楠 もうすぐ生誕150年
『熊楠の星の時間』刊行&第26回南方熊楠賞受賞記念
中沢新一と南方熊楠
「ぼくの最高のヒーロー」
めったなことでは人の世界に訪れない「星の時間」。
南方熊楠が那智山に篭っていた時に、熊楠のもとへ星の時間がやってきました。
思想家 中沢新一さんは熊楠の中に輝いた星の放つ光が、時代を越えて、自身の思想を導いてきたと言います。
『森のバロック』をはじめ、かねてより熊楠を追い、その夢を受け継いできた中沢さんが、このたび、『熊楠の星の時間』(講談社)を上梓、さらに第26回の南方熊楠賞を受賞されました。今回は、本書刊行と本受賞を記念したトークレクチャーを開催します。
中沢さんは中学生の頃、父親の本棚で熊楠に関する本と出会い、衝撃を受け、すっかり心を奪われました。以来、熊楠は中沢さんにとっての「最高のヒーロー」として、学問と研究の道標、生き方の師表として存在し続けています。そんな中沢さんの目標は熊楠の夢であった「レンマによる科学」を創造すること。自身を熊楠の夢継ぐ者として、熊楠のごとく、日々まい進しています。
今回は、中沢新一さんと南方熊楠の出会いから、どのような衝撃を受け、どのように導かれてきたのかをお話いただくことで、中沢さんのヒーロー「南方熊楠」の魅力を掘りさげていきます。さらに、熊楠の夢をどのように受け継ぎ、創造していくのか、中沢さんと熊楠の夢のこれからについても考える機会にしていきます。
みなさまも、ぜひ本トークを通じて、南方熊楠に訪れた星の時間、そして中沢さんを導いた星の光を感じてください。
サイン会のお知らせ
トーク終了後に中沢新一さんのサイン会を開催いたします。
サイン対象は『熊楠の星の時間』(講談社)はじめ、中沢さんのご著書です。
お1人様、2冊までです。

中沢新一
なかざわ・しんいち
1950年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、明治大学野生の科学研究所所長。人類学者、思想家。第26回南方熊楠賞受賞。著書に『アースダイバー』(桑原武夫学芸賞)、『大阪アースダイバー』、『カイエ・ソバージュ』(小林秀雄賞)、『チベットのモーツァルト』(サントリー学芸賞)、『森のバロック』(読売文学賞)、『哲学の東北』(斎藤緑雨賞)など多数ある。
これまでの 「南方熊楠 もうすぐ生誕150年企画」
第5回:2016年7月30日
吉増剛造編
全身詩人と旅する南方さん~熊楠の声を聞く。
第4回:2016年7月12日
中沢新一と南方熊楠
「ぼくの最高のヒーロー」
第3回:2016年6月25日
都築響一編
熊楠は圏外か~生涯、肩書きより好奇心。
第2回:2016年5月28日
南方熊楠 もうすぐ生誕150年 辛酸なめ子編
熊楠がみた不思議の世界~幽霊と妖怪と変形菌と。
第1回:2016年2月5日
《文字・きのこ図譜・マンダラ》で迫る南方熊楠のABC
~熊楠が遺した資料もすごかった。講師:田村義也