講座申込方法

受付は終了いたしました。

概要

日程
2016年1月16日 (土)
時間
18:00~20:00
開場17:30~ 
料金
1,944円(税込) 
定員
110名様 
会場
本店 大教室  

お問合せ先

青山ブックスクール

電話
03-5485-5513
メール
culture@boc.bookoff.co.jp
営業時間
平日 10時~20時
土・日・祝休み
住所
東京都渋谷区神宮前5-53-67
コスモス青山B2F
青山ブックセンター本店内
アクセス情報

2016年1月16日 (土)

芸術を学ぶ

chim↑pom10周年&『ディズニー美術』(KUNST ARZT)刊行記念企画

岡本光博 × chim↑pom 稲岡求 × 作田知樹
アウトを言い渡されたアート
―社会に切り込むアーティストたち。アートを前進させるには。

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アートは時代を映し、時にシリアスに、時にユーモラスに、時代や社会のさまざまな問題を考えるきっかけを与えてくれます。

現代美術家 岡本光博さんとアーティスト集団Chim↑Pomもアートをもって果敢に社会に切り込んできました。しかし、その果敢さゆえに、たびたび検閲や規制にあい、「作品」が「アウトである」と判断され、その内容の変更を要請されたり、制作や展示が叶わなかったり、撤去せざるを得なかったりと、歯がゆい思いをたくさんされたようです。岡本さんとchim↑pomだけではありません。近年、ワイセツ、著作権問題、政治的すぎるなど、さまざまな理由で抗議を受け、何かしらの対応を迫られるアートをよく耳にするのではないでしょうか。

2015年、岡本さんは「ディズニー美術」と題した展覧会を企画し、アートと著作権の関係を突きながら、「アートは唯一、社会に“イメージ”を突き返すことのできるもの(本展ステイトメントより)」とアートの力を提示してみせました。同じく2015年、結成10周年を機に、chim↑pomはこれまで実際に受けた抗議や規制・検閲を反映させた作品による「耐え難きを耐え↑忍び難きを忍ぶ」展を開催し、アートへの社会からの回答を可視化させることで、社会の現状を露呈させました。このように、2組ともこの状況に屈することなく、社会に問題提起しながら、アートの可能性に挑戦し続けています。

岡本光博 作品

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では、なぜ、彼らはこのような状況においてもなお、アートで社会に反応し続けるのでしょうか。彼らが考えるアートの力とは、一体何なのでしょうか。

今回は、岡本光博さん、chim↑pomを代表し稲岡求さん、そして聞き手に法律家の視点からアーティストを支援する作田知樹さんとともに、実際に「アウト」と言われてしまった作品を中心に、彼らの活動と想いに迫るとともに、作田さんがアーティストをサポートするうえで直面する問題をお話しいただくことで、アートを取り巻く状況を洗い出し、アートと社会の関係、そして社会の現状を考えていきます。さらに、岡本さん、chim↑pomの活動を通じ、社会におけるアート役割を今一度問い直し、いかにしてアートを前進させることができるのかを考える機会にしたいと思います。

chim↑pom 作品

chimpom-superrat

SUPER RAT
2006年 捕獲したネズミの剥製

「スーパーラット」とは、殺鼠剤などの毒への耐性を遺伝化させながら、都市圏で爆発的に増えているネズミの通称であり、ネズミ駆除業者による造語である。Chim↑Pomは、スーパーラットを網で捕獲し、その剥製をアニメ「ポケットモンスター」のキャラクター「ピカチュウ」に模して黄色く着色し、捕獲映像とともに展示した。都市のなかで自らを生きいきと進化させ、人間との共存を続けるスーパーラットたちに見出したのは、自分たち自身の肖像であり、放射線汚染後を生きる日本人の姿だった。

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気合い100連発 2011年 ビデオ

2011年5月、福島県相馬市で知り合った若者たちと、 100連発の気合いを入れた様子を収めた映像作品。相馬市は東日本大震災の被災地であり、家を流され、大事な人を失った彼らは、放射能の恐怖のなか、壊滅した街で約2ヶ月間を過ごしていた。報道が集中した被災地と違って、外からのボランティア不足が続いていたが、福島第一原発が近いことも影響していたのだろう。被災者でありながら、自ら救援活動や復興作業にもずっと携わってきた彼らによるリアルな叫びは、すべてアドリブ、一発撮りで収録された。

LEVEL 7 feat.『明日の神話』

REAL TIMES 2011年ビデオ (11分11秒)

渋谷駅にある岡本太郎の壁画《明日の神話》右下にある隙間に、原発事故を描いた絵をゲリラ設置したプロジェクト。原子炉建屋からドクロ型の黒い煙が上がる様子を壁画と同じタッチで紙に描き、それを塩ビ板に貼ったものを、連続した壁画の一部として自然に見えるように設置した。通行人が撮影した画像がネット上で拡散され、匿名の行為として議論を巻き起こす。個展「REAL TIMES」にて、作品として発表。

REAL TIMES

REAL TIMES 2011年ビデオ (11分11秒)

〈3.11〉から1ヶ月後の4月11日、原発事故によって無人の街となった警戒区域に入り込み、福島第一原発から約700メートルにある東京電力敷地内展望台に登頂した。東京電力発表の放射線量は、199マイクロシーベルト/毎時。正門付近に車を停めて、片道約20分のトレッキングで向かう。初日の出のスポットとしてPRされていた展望台からは、白煙を上げる4号機建屋と、大量の汚染水が流れ出た太平洋が見えた。そして、展望台で広げた白旗に赤いスプレーで日の丸を描き、それを放射能マークへと改変。月面やエベレストなど「到達困難」な場所での慣例に倣い、その旗を掲げた。タイトルは、「まさに、いま」という意味の「リアル・タイム」、映画「モダン・タイムス」よろしく「リアルな時代」、そしてニューヨーク・タイムズなどのメディアをもじり、警戒区域内での報道が皆無だった当時の状況に対して、「現実の報道」という3つの意味を併せ持たせた。

岡本 光博

岡本 光博 (おかもと・みつひろ)

1968年京都生まれ。1994年滋賀大学大学院教育学修了。1994-96年アート・スチューデンツ・リーグ・オブ・ニューヨーク(USA)に在籍、1997~1999年CCA北九州にて研究と制作を行う。2001年からドイツでのレジデンスを中心に活動(インド、スペイン、ほか)。2004-06年台湾・沖縄を拠点に活動。2007年からは京都を拠点に作家活動とともに京都市内にギャラリー「KUNST ARZT」(2012年から)を運営。国内外の多くの展覧会に参加。青森県立美術館「化け物」2015、ZKM(ドイツ) 「Thermocline of Art」 2007、滋賀県立近代美術館「コピーの時代」2004などでの美術館での展示のほか、企画に関った展覧会として、KUNST ARZT「ディズニー美術」2015、「モノグラム美術」2014、神戸ファッション美術館「ファッション綺譚」2010、プルショー城(ドイツ)+京都芸術センター他「Simple Beads and Cultured Seeds」2002などがあります。2016年9月にeitoeikoでの個展を予定。

・岡本光博 WEBサイト

・KUNST ARZT WEBサイト

・ディズニー美術展 WEBサイト

関連情報

・「玄玄天」いわき駅中心市街地一円
 (福島 2015年11月27日まで))
・「うつわ(器)とうつし(写)」 京都芸術センター
 (京都 2015年12月3日から12月20日)
・「岐阜おおがきビエンナーレ 2015」 ソピアホール
 (岐阜 2015年12月19から12月23日)
・個展「岡本光博69(仮)」eitoeioko
 (東京 2016年9月)

*アートフェアー eitoeikoから
・Material Art Fair (メキシコ2016年2月4日から7日)
・アートフェア札幌 2015 (北海道 2015年11月22日、23日)

Chim↑Pom

Chim↑Pom (チン↑ポム)

卯城竜太・林靖高・エリイ・岡田将孝・稲岡求・水野俊紀の当時20代の6名が、2005年に東京で結成したアーティスト集団。時代のリアルに反射神経で反応し、現代社会に全力で介入した強い社会的メッセージを持つ作品を次々と発表。映像作品を中心に、インスタレーション、パフォーマンスなど、メディアを自在に横断しながら表現している。東京をベースに活動しながら、世界中の展覧会に参加、海外でもさまざまなプロジェクトを展開している。2015年、アジアの若手現代アーティストを表彰する『Prudential Eye Awards for Contemporary Asian Art』で大賞にあたる「Emerging Artist of the Year」およびデジタル・ビデオ部門の最優秀賞に選出された。 著作に『Chim↑Pomチンポム作品集』(河出書房新社、2010年)、『なぜ広島の空をピカッとさせてはいけないのか』(阿部謙一との共編著、無人島プロダクション、2009年)、『芸術実行犯』(朝日出版社、 2012年)、『SUPER RAT』(パルコ、2012年)、『エリイはいつも気持ち悪い エリイ写真集 produced by Chim↑Pom』(朝日出版社、 2014年)がある。

・Chim↑Pom WEBサイト

・見に行く事が出来ない展覧会
 『Don't Follow The Wind』福島の帰還困難地域にて

・chim↑pomキュレーション アーティストランスペース
 「GATERギャラリー」

作田知樹 (さくた・ともき)

1979年生まれ。芸術・文化法、文化政策研究者。行政書士。
国内外の国際美術展をはじめとする文化イベントのコーディネートや広報、美大での教職等に携わりながら、専門家の立場で文化芸術の現場の人々の支援活動を行う。2004年、弁護士らとともに、文化芸術支援の専門家ボランティア団体「アーツ・アンド・ロー」を立ち上げ、2014年まで代表を務める。著書に『クリエイターのためのアートマネジメント 常識と法律』(八坂書房)等。

アーツ・アンド・ロー WEBサイト

書籍情報

『ディズニー美術』

『ディズニー美術』

KUNST ARZT
1,000円(税込)

テキスト:作田知樹
作品図版:入江早耶、岡本光博、Pilvi Takala、高須健市、福田美蘭
インタビュー:大久保美紀×Pilvi Takala