イベント申込方法

受付は終了いたしました。

概要

日程
2018年1月24日 (水)
時間
19:00~20:30
料金
1,080円(税込)
定員
100名
会場
本店 大教室

お問合せ先

青山ブックセンター 本店

電話
03-5485-5511
受付時間
10:00~22:00

2018年1月24日 (水)

刊行記念

『ハックルベリー・フィンの冒けん』(研究社) 刊行記念

『ハックルベリーフィンの冒けん』と翻訳
柴田元幸 トークイベント

柴田元幸がいちばん訳したかったあの名作、ついに翻訳刊行!

2017年12月、名翻訳家の柴田元幸が、かねてより訳したいと言っていたMark Twain, Adventures of Huckleberry Finnをついに翻訳刊行します――『ハックルベリー・フィンの冒けん』という書名で!

アーネスト・ヘミングウェイが『アフリカの緑の丘』で「今日のアメリカ文学はすべてマーク・トウェインのハックルベリー・フィンという1冊の本から出ている」と評したように、この小説に霊感を受けて、J・D・サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(1951)ほか、これまで多くの小説が書かれてきました。

口語体の語りの可能性を一気に押し広げたこの名作をどう訳したか? 文芸作品を、古典作品を訳すには何が必要か? 柴田元幸がすべてお答えします。

翻訳者と翻訳家志願者、絶対参加のイベントです!

 

プロフィール

柴田元幸

柴田元幸

しばた・もとゆき

翻訳家、東京大学文学部名誉教授。東京都生まれ。ポール・オースター、レベッカ・ブラウン、スティーヴン・ミルハウザー、スチュアート・ダイベック、スティーヴ・エリクソンなど、現代アメリカ文学を数多く翻訳。2010年、トマス・ピンチョン『メイスン&ディクスン』(新潮社)で日本翻訳文化賞を受賞。マーク・トウェインの翻訳に、『トム・ソーヤーの冒険』『ジム・スマイリーの跳び蛙―マーク・トウェイン傑作選―』(新潮文庫)、最近の翻訳に、ジャック・ロンドン『犬物語』(スイッチ・パブリッシング)やレアード・ハント『ネバーホーム』(朝日新聞出版)、編訳書に、レアード・ハント『英文創作教室 Writing Your Own Stories』(研究社)など。文芸誌『MONKEY』、および英語文芸誌 Monkey Business 責任編集。2017年、早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。

書籍情報

『ハックルベリー・フィンの冒けん』

『ハックルベリー・フィンの冒けん』

「トム・ソーヤーの冒けん」てゆう本をよんでない人はおれのこと知らないわけだけど、それはべつにかまわない。あれはマーク・トウェインさんてゆう人がつくった本で、まあだいたいはホントのことが書いてある。ところどころこちょうしたとこもあるけど、だいたいはホントのことが書いてある。べつにそれくらいなんでもない。だれだってどこかで、一どや二どはウソつくものだから。まあポリーおばさんとか未ぼう人とか、それとメアリなんかはべつかもしれないけど。ポリーおばさん、つまりトムのポリーおばさん、あとメアリやダグラス未ぼう人のことも、みんなその本に書いてある。で、その本は、だいたいはホントのことが書いてあるんだ、さっき言ったとおり、ところどころこちょうもあるんだけど。  それで、その本はどんなふうにおわるかってゆうと、こうだ。トムとおれとで、盗ぞくたちが洞くつにかくしたカネを見つけて、おれたちはカネもちになった。それぞれ六千ドルずつ、ぜんぶ金(きん)かで。つみあげたらすごいながめだった。で、サッチャー判じがそいつをあずかって、利しがつくようにしてくれて、おれもトムも、一年じゅう毎日(まいんち)一ドルずつもらえることになった。そんな大金、どうしたらいいかわかんないよな。それで、ダグラス未ぼう人が、おれをむすことしてひきとって、きちんとしつけてやるとか言いだした。だけど、いつもいつも家のなかにいるってのは、しんどいのなんのって、なにしろ未ぼう人ときたら、なにをやるにも、すごくきちんとして上ひんなんだ。それでおれはもうガマンできなくなって、逃げだした。またまえのボロ着を着てサトウだるにもどって、のんびり気ままにくつろいでた。ところが、トム・ソーヤーがおれをさがしにきて、盗ぞく団をはじめるんだ、未ぼう人のところへかえってちゃんとくらしたらおまえも入れてやるぞって言われた。で、おれはかえったわけで。

―マーク・トウェイン著/柴田元幸訳『ハックルベリー・フィンの冒けん』より

タイトルの表記について(本文「解説」より) ハックはまったくの無学ではないし、学校に行けばそれなりに学びとるところもあるようだから(まあ六七(ろくしち)=三十五と思っているみたいですが)、もし漢字文化圏の学校に通ったとしたら、字もある程度書けるようになって、たとえば「冒険」の「険」は無理でも、「冒」は(横棒が一本足りないくらいのことはありそうだが)書けそうな気がするのである。

オリジナル・イラスト174点収録
訳者 柴田元幸(2017年、第6回早稲田大学坪内逍遙大賞受賞)の作品解題付き 《本文見本はこちらから》