2018年10月27日 (土)
刊行記念
『PLANETS vol.10』『制作へ』刊行記念
「本を出版すること、遅いインターネット計画」
宇野常寛 × 上妻世海 トークイベント
評論家・宇野常寛さんが責任編集をつとめる総合批評誌。3年ぶりに刊行となり、「世界の見え方が変わる一冊」をコンセプトに、インディペンデントのユニットだからこそできる問題設定にこだわり、「いま」を考える手がかりが詰め込められた『PLANETS vol.10』。
「制作とはなにか?」を中心的に論じ、制作を通じて、作品や身体、共同性、そして近代的自我とは別の方法で構築される膜動態としての主体概念について語る、『制作へ‐上妻世海初期論考集』(オーバーキャスト)を上梓した、文筆家/キュレーターの上妻世海さん。
刊行を記念し、今後、本を出版する意義、宇野さんが提唱する遅いインターネット計画などについて、今回が初対面となるおふたりに縦横無尽にお話し頂きます。どうぞご期待ください。
※当初ご登壇予定でした佐々木紀彦さんが、スケジュールの都合により急遽キャンセルとなりました。ご了承頂けましたら幸いです。
プロフィール

宇野常寛
評論家。1978年生。批評誌〈PLANETS〉編集長。著書に『ゼロ年代の想像力』(早川書房)、『リトル・ピープルの時代』(幻冬舎)、『日本文化の論点』(筑摩書房)、『母性のディストピア』(集英社)、『若い読者のためのサブカルチャー論講義録』(朝日新聞出版)。石破茂との対談『こんな日本をつくりたい』(太田出版)、『静かなる革命へのブループリント この国の未来をつくる7つの対話』(河出書房新社)など多數。企画・編集参加に「思想地図 vol.4」(NHK出版)、「朝日ジャーナル 日本破壊計画」(朝日新聞出版)など。京都精華大学ポピュラーカルチャー学部非常勤講師、立教大学社会学部兼任講師も務める。

上妻世海
生年:1989年生まれ
生業:文筆/現代美術
主な書籍:『制作へ』(オーバーキャスト 2018)『脱近代宣言』(水声社 2018)
主な展覧会:「Malformed Objects 無数の身体のためのブリコラージュ」(山本現代 2017)「時間の形式、その制作と方法 – 田中功起作品とテキストから考える」(青山目黒2017)
書籍情報

『PLANETS vol.10』
主な内容
[巻頭グラビア&インタビュー] 猪子寿之
[巻頭言] 宇野常寛
「遅いインターネット」宣言
[巻頭座談会] 乙武洋匡×ハリス鈴木絵美×前田裕二×村本大輔+宇野常寛
【特集】〈戦争〉と〈平和〉の現在形
[鼎談] 伊勢崎賢治×黒井文太郎×橘宏樹
[座談会] 消極性研究会(栗原一貴×西田健志×濱崎雅弘×簗瀬洋平×渡邊恵太)
[特別インタビュー:アニメと戦争]片渕須直
[特別インタビュー:アニメと戦争]押井守
[走るひと×PLANETS]都市を走るひとたち
[探訪ルポ] 風雲! イケハヤランド
[巻末座談会]家入一真×佐渡島庸平×箕輪厚介+宇野常寛
[巻末特別企画] 落合陽一
デジタルネイチャーからマタギドライヴへ

『制作へ』
上妻世海による2016年から現在までの論考集。書き下ろしのほか、書籍、雑誌、Webメディアなどで発表したテキスト全13本を所収。
‐僕はキュレーション、対話、執筆などを通じ、さまざまな仕方で制作的身体を作ってきた。視点の交差と折り返し、魅惑の形式、リバースエンジニアリング、プロトタイプ、共同性、複数の時間の形式とその場所、そして制作。この本は、その軌跡。
審美眼と鑑賞を巡るフィールドワークは感性を培う。その創造性への接近こそが、インターネット以後を生きる人類の新たなる生存戦略だ。上妻世海はその実践を通じて、鑑賞体験のアップデートを教えてくれる。
‐落合陽一
ふらりと人類学の研究会に現れ高度に抽象を論じた上妻世海は、やがて極上の制作論を書き上げた。いま彼に学ばなければならない。
‐奥野克巳
目次
制作へ( 書き下ろし)
Ⅰ
来るべき芸術に関するセンテンス
消費から参加へ、そして制作へ
制作を媒介に神話的世界へ( インタビュー)
芸術作品における「魅惑の形式」のための試論
Ⅱ
虚構と実在 「東京の〈際〉」を制作せよ ─ 関係の写像を超えて 「未来」を拡張するためのプログラム
時間の形式、その制作と方法 ─ 田中功起作品と テキストから考える
Ⅲ
状況論から原理の探究へ 制作の共同体へ
人類学から考える表象と形式、美術の歴史( インタビュー)
神話的世界へ、僕の方法、そして、僕と異なる方法 ─ 悦びと希望を込めて
制作的身体のためのエクササイズ( 解題インタビュー)
おわりに