2014年2月9日(日)
都市に未来はあるのか~建築と都市工学の対話
磯崎新 × 羽藤英二 トークイベント
司会:松田達

※オンライン予約は締め切りました。ご参加希望のお客様は、当日店頭までお越しください。
巨大化し、さまざまな難問を抱え込む大都市。都市工学の明日をリードする期待の俊英と、いまなお世界で活躍を続ける建築家が、『磯崎新 建築論集』、とくに第2巻『記号の海に浮かぶ〈しま〉──見えない都市』で提示された磯崎都市論を手がかりに、これからの都市のあるべき姿を縦横に論じます。道路や鉄道など都市インフラの整備、オリンピックの捉え方、グローバル化と高度情報化社会のなかの都市、首都機能の移転問題など、スリリングな2時間のトーク。奇しくもトーク当日は東京都知事選。東京の都市づくりという面から細川候補支持を明確にしている磯崎氏による、3・11後の日本と都市のあり方についての熱いメッセージにも注目です。
磯崎新建築論集とは
半世紀にわたり建築界をリードし、現在なお国際的な場で活躍し続ける磯崎新。その巨大な存在感はどこから来るのか。建築家であると同時に、芸術家、批評家、思想家として活躍する磯崎新の、思想のエッセンスを分かりやすい形で凝縮する集大成的著作論集。次代を担う中堅気鋭の建築家、建築史家の協力を得て、常に新鮮な問題提起で挑発し続ける著者の思想の核心と魅力の秘密を浮き彫りにする。十数編の意欲的書下ろし論考と著者自身による「反回想」を収録。未来に継承さるべき、わが国建築界の思想的財産。
プロフィール
撮影:木奥惠三
磯崎 新
1931年大分県生まれ。東京大学建築学科博士課程修了。建築設計事務所「磯崎新アトリエ」主宰。世界各地で建築・都市の設計に携わり、展覧会を開催。国際的な建築競技設計(コンペ)の審査委員を務める。英国王立芸術院・米国芸術文学アカデミー名誉会員。建築家であると同時に、芸術家、批評家、思想家として縦横に活躍。著書多数。建築作品に、群馬県立近代美術館、つくばセンタービル、ロサンゼルス現代美術館ほか多数。
羽藤 英二
1967年愛媛県生まれ。愛媛大学助教授、MIT客員研究員、東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻准教授を経て、現在同社会基盤専攻教授。交通工学研究会研究奨励賞、世界交通学会賞など数々の賞を受賞。各地の観光まちづくりや地域防災に関する研究を手がけている。「未来都市東京2050」として都市戦略を提示するなど、世界的に注目を集める都市工学研究者のひとり。
松田 達
1975年生まれ。建築家。東京大学工学部都市工学科卒業、同大学大学院建築学専攻修士課程修了。隈研吾建築都市設計事務所を経て、パリ第12大学パリ都市計画研究所DEA課程修了。現在、東京大学先端科学技術研究センター助教、松田達建築設計事務所代表。都市と建築の両分野を横断して活動している。著書に『建築・都市ブックガイド21世紀』(共著)ほか。建築作品に《JAISTギャラリー》ほか。
書籍紹介
『磯崎新建築論集〈2〉記号の海に浮かぶ“しま”―見えない都市』
磯崎新:著 松田達:編集協力
19世紀以降の都市の変貌を「虚体都市」「不可侵の超都市」など独自の視点で整理し、脱近代の都市像を鮮やかに浮かび上がらせる卓抜な現代文明論。一見均質な近代都市空間が重層的なネットワークの形成で変容し、海に浮かぶ群島の如く、相互に異質な集合体=虚体都市が出現する現代社会の様相を明らかにする。21世紀世界への予見的洞察。
体裁=四六判・上製・カバー・308頁
定価 3,780円(税込み)
発売中
磯崎新建築論集
第1巻 散種されたモダニズム (横手 義洋 編)
第2巻 記号の海に浮かぶ〈しま〉 (松田 達 編)
第3巻 手法論の射程 (日埜 直彦 編)
第4巻 〈建築〉という基体 (五十嵐 太郎 編)
第5巻 「わ」の所在 (中谷 礼仁 編)
第6巻 ユートピアはどこへ (藤村 龍至 編)
第7巻 建築のキュレーション (南後 由和 編)